ビバリーヒルズの用心棒

守るものがよく分かっていない

なぜ、私ではないのか

天才は、人を優しくそして存分に利用し、決して人に依存しない。そんな人に寄り添おうとする人は、「わたしがいなきゃだめなんだ」と決して思えないからやりきれない。

 

映画「グラン・ブルー」鑑賞。

ダイバーであるジャック。彼の人生は、全て海に育まれた。別れ、自立、プライド、すべて真っ青な海の中で感じたこと。海の中こそが自分の生きる場所、そう悟っている。

ジョアンナは、彼に恋した。彼ってサイコー。仕事を放り出して、全ての愛を彼にそそぐ。だが決して自分に振り向かせることはできない。なんで海なのよ...私の愛が届かない、私の愛ではどうしてだめなの、と思う。ジャックは優しいが、最終的には自分を選ばない。気持ちを整理できないジョアンナは、泣き叫んでお願いする。

そんなジョアンナにジャックは微笑み、真っ暗な海の底に沈んでいった。

 

私にはこれがないとだめなんだと思うもの。スポーツ、景色、富士山、果物。それらの中でしか生きていけない。そんな人たちがいる。彼らが見せてくれる景色は、なんであんなに圧倒的な美しさや心地よさ、魅力を映し出してくれるんだろう。

美しさへの憧れと依存は、人間の本能といってもいい。天才は、それを追い続けることが出来る人。大人になった僕ら凡人は、簡単に妥協する術を身につけてしまった。美しいものだけを選びながら生きていくことはできない。だけども、ほんのわずかなくだらない選択を積み重ねている人生には、常に後悔がつきまとうことにも気付いている。